2026年3月3日火曜日

🔎 なぜ「分圧点を壊さない」のか?

 

■ 分圧点とは?

例えば50Vを10Vに落とすとき、
抵抗を2本使って電圧を分けます。

50V ──[R]──●──[R]── GND ↑ ここが分圧点

この●の点は、とてもデリケートです。


■ なぜ壊れるの?

通常の回路や測定器をそのまま接続すると、

  • 入力インピーダンスが低い

  • 電流を吸い込んでしまう

結果として、

👉 本来の電圧より低くなってしまう
👉 分圧比が変わってしまう

これを 「分圧点を壊す」 と言います。

特に高抵抗分圧(100kΩ以上)では顕著です。


■ この基板が壊さない理由

本製品は入力段に
ボルテージフォロア(電圧バッファ) を搭載しています。


ボルテージフォロアの特徴:

✔ 入力インピーダンスが非常に高い
✔ ほとんど電流を流さない
✔ 元の電圧をそのまま次段へ伝える

つまり、

👉 分圧点から電流をほとんど奪わない
👉 分圧比が変わらない
👉 測定誤差を最小限に抑えられる

という構成になっています。


■ だから安心

  • 高電圧を大きな抵抗で分圧してもOK

  • センサ出力の途中点でもOK

  • シャント抵抗両端でもOK

測りたい電圧を「邪魔しない」設計です。


🎯 まとめ

普通の回路 → 分圧点に負荷をかける
本製品 → 分圧点を保護しながら測定

これが、入力にボルテージフォロアを入れている理由です。

利得計算表

 

🔢 1️⃣ 基本式(この基板の動作)

回路構成より、基本式は:

まず重要なのはここです。


✅ 差動利得(メインゲイン)

※ R1 と R2 が差動増幅率を決めます

※ R3, R4 はBIAS側の調整


📊 2️⃣ 利得早見表(よく使う値)

■ 基準:R1 = 10kΩ の場合

R1R2利得用途例
10k10k1倍そのまま差動
10k20k2倍小信号増幅
10k47k4.7倍センサ信号
10k100k10倍微小差動
10k4.7k0.47倍減衰用途
10k1k0.1倍高電圧分圧後

■ 基準:R1 = 100kΩ の場合(高電圧分圧用途)

R1R2利得
100k100k1倍
100k10k0.1倍
100k220k2.2倍
100k1M10倍

🎯 3️⃣ 実例(50V/55V測定)

外部で1/11分圧した場合:

50V → 4.545V
55V → 5.000V

差:0.455V

利得1倍なら:

→ 0.455V 出力

利得10倍なら:

→ 4.55V 出力

ADCに入れるなら:
Gain = 5V / 0.455 ≈ 11倍


⚖ 4️⃣ BIAS加算の式

BIASは非反転入力なので:



🎯 よく使うBIAS設定(単電源ADC用)

例:3.3V ADCで中央1.65Vにしたい場合

  • R3 = R4(同値)
    → BIAS成分は約 0.5 × (1 + Gain)

Gain=1なら:

→ BIAS ≈ 1.0倍

実用的には
R3 = R4 = 10kΩ でOK。


📌 5️⃣ 実務的おすすめ抵抗範囲

用途R1推奨
一般用途10kΩ
高電圧分圧後47k〜100kΩ
ノイズ重視10k〜22kΩ
低消費電流100kΩ以上

※ 精度重視なら 0.1% 推奨

🔧 BIASとは何か?

■ 一言で言うと

出力電圧の「基準位置」を決めるための電圧

です。


🔰 初心者向け説明

差動回路は本来、

出力 = (VP1 − VN1) × 利得

になります。

でもこれだと、

  • 差がマイナスになると負電圧になる

  • 単電源(0~5V)では扱えない

という問題があります。

そこで BIAS を使います。

出力 = (VP1 − VN1) × 利得 + BIAS

こうすると、

✔ マイナス電圧を持ち上げられる
✔ ADC入力範囲に合わせられる
✔ 0~3.3V系でも扱える

ようになります。


📘 具体例(よくある使い方)

例:差が ±0.5V 出る場合

ADCが 0~3.3V のとき、

BIASを 1.65V(中点)に設定すると:

差動出力
-0.5V1.15V
0V1.65V
+0.5V2.15V

👉 すべてADC範囲内に収まります。


🧠 技術寄り説明

本基板では、

  • R3:VN側入力抵抗

  • R1:VP側入力抵抗

  • R2:帰還抵抗

  • R4:BIAS入力抵抗

構成になっています。

BIASは
非反転側へ加算される基準電圧

として動作します。

つまりこの回路は

「差動増幅器+レベルシフト回路」

として機能します。


🎯 BIASが活きる用途

✔ シャント抵抗の双方向電流測定
✔ AC信号のセンタリング
✔ 単電源オペアンプでの負方向表現
✔ ADC入力最適化


🚫 BIASを使わない場合

BIASをGNDにすれば、

純粋な差動増幅になります。

出力 = (VP1 − VN1) × 利得

用途によって使い分け可能です。

「差動って何?」初心者向け説明文

 

■ 差動とは?

差動とは、
2つの電圧の「差」だけを取り出して測定する方法です。

例えば、

  • 上流側:55V

  • 下流側:50V

このとき本当に知りたいのは
「55Vか50Vか」ではなく、

👉 その差の5V

これを正確に取り出すのが差動回路です。


■ なぜ普通に測れないの?

通常の測定では、
どちらもGND(基準電位)に対して測定します。

しかし、

  • 高電圧ライン

  • 分圧回路の途中

  • シャント抵抗の両端

などでは、
GND基準で測ると正しく測定できないことがあります。

そこで差動回路を使います。


■ この基板の役割

この基板は、

✔ 上流側(VP1)
✔ 下流側(VN1)

の差だけを取り出し、

さらに

✔ BIAS電圧を加算して出力します。

そのため、

  • 単電源ADCへの入力

  • センサ信号の増幅

  • 高電圧分圧後の差動測定

に適しています。


■ なぜ入力にバッファがあるの?

本製品では各入力にボルテージフォロアを配置しています。

これにより、

  • 分圧点を壊さない

  • 測定対象に負荷をかけにくい

  • より安定した差動測定

が可能になります。


■ こんな用途に

  • シャント抵抗の電圧差測定

  • 高電圧ラインの分圧後差分検出

  • センサ信号の増幅

  • ADC入力のセンタリング


🎯 ポイント

難しく言うと差動増幅ですが、
やっていることはシンプルです。

「2点の電圧の差だけを見る回路」

それが差動です。

さどうくん TLP-AM01 差動アンプ基板 LM2902搭載|分圧点を壊さず測定|±12V~24V対応|利得可変(抵抗差替え式)|評価・実験・ADC前段用

 

■ 商品概要


本製品(TLP-AM01 さどうくん)は、LM2902を使用した差動アンプ基板です。
入力にボルテージフォロアを配置することで、分圧点や測定対象回路へ負荷をかけにくい構成になっています。


上流側(VP1)と下流側(VN1)の電位差を測定し、任意のBIAS電圧を加算して出力します。

抵抗値を変更することで、増幅・減衰の両方に対応可能です。

基板上のソケットへ抵抗器の端子を挿入してテストを行い、動作確認が取れたら抵抗器の端子をソケットの端子へはんだ付けして使用してください。R1とR3、R4とR2に同じ抵抗値の抵抗器をセットします。



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さどうくん TLP-AM01 差動アンプ基板 LM2902搭載|分圧点を壊さず測定|±12V~24V対応|利得可変(抵抗差替え式)|評価・実験・ADC前段用



✔ 分圧点を壊さない入力設計

各入力はボルテージフォロアでバッファされています。
高インピーダンス入力により、分圧回路や測定対象へ影響を与えにくい設計です。


✔ 差動測定+BIAS加算

VP1(上流)とVN1(下流)の差電圧を抽出し、
BIAS入力を加算して出力電圧を生成します。
単電源ADC入力のセンタリングにも最適です。


✔ 利得は抵抗差替えで自由設定

R1/R2/R3/R4の抵抗値を変更することで、
増幅・減衰の両方に対応可能です。
※抵抗器は付属しません。


✔ 広い電源電圧対応

±12V電源、または単電源24Vまで対応。
用途に応じた柔軟な電源構成が可能です。


✔ コンパクト1インチ基板

基板サイズ:22.86mm × 22.86mm
試作機や装置内部への組み込みにも適しています。


■ 仕様

  • 搭載オペアンプ:LM2902

  • 基板サイズ:22.86mm × 22.86mm

  • 入力:Vcc / Vee / GND / VP1 / VN1 / BIAS1
    Vcc: オペアンプの+側電源。測定可能上限。
    Vee: オペアンプのー側電源。測定可能下限。
    GND: 回路の基準GND。
    VP1: 上流側測定電圧。
    VN1: 下流側測定電圧。
    BIAS1: 測定結果に加えるバイアス電圧。
    ※GND、VP1、VN1、BIAS1はVccとVeeの範囲にある必要があります。

  • 出力:AmpOut1

  • 電源:±12V または 単電源最大24V

  • 抵抗:ユーザー実装(ソケット差込式)

  • IO用ヘッダーピン以外は実装済み


■ 使用例

  • 高電圧ラインの分圧後差動測定

  • シャント抵抗の電圧差測定

  • センサ信号の増幅・減衰

  • ADC入力前段の信号調整

  • 単電源環境でのセンタリング回路

※電源電圧の範囲外の電圧を扱う場合は、必ず外部分圧を行ってください。

回路例




■ ご注意

  • 抵抗器は付属しません。

  • 入力電圧はLM2902の入力範囲内で使用してください。

  • 高電圧を扱う場合は適切な分圧と安全対策を行ってください。



■ 安全上の注意(一般的な電気取扱い)

1. 感電・火災防止

  • 本製品は最大 24V 系電源で使用されます。

  • 配線作業は必ず 電源を切った状態 で行ってください。

  • 濡れた手で触れないでください。

  • 導電性のある机上での作業は避けてください。


2. 極性の確認

  • VCC / VEE / GND の接続を誤ると破損します。

  • 電源投入前に必ず極性を確認してください。

  • 逆接続はICを即座に破壊する可能性があります。


3. 電圧定格の遵守

  • 電源電圧は 3V~24V(VCC−VEE)以内 で使用してください。

  • 入力電圧は必ず 電源電圧範囲内 に収めてください。

  • 入力端子へ直接高電圧を印加しないでください(分圧を使用)。


■ 本製品特有の注意事項

4. 分圧抵抗の設定ミス

  • 抵抗値の選定を誤ると出力が飽和します。

  • 高電圧測定時は必ず計算後に実装してください。

  • 抵抗の定格電力(W数)にも注意してください。


5. BIAS設定に関する注意

  • BIAS電圧は電源範囲内で使用してください。

  • BIASを高く設定しすぎると出力が上限飽和します。

  • 単電源ADC接続時はセンタリング電圧を確認してください。


6. 出力短絡の禁止

  • 出力をGNDや電源に直接短絡しないでください。


7. 静電気対策

  • オペアンプICは静電気に弱い部品です。

  • 乾燥環境では静電気放電対策を行ってください。


8. 発熱について

  • 高電圧駆動時や低インピーダンス負荷では発熱します。

  • 連続動作時は温度上昇に注意してください。


■ 設計上の注意(技術者向け)

  • LM2902はレールツーレール出力ではありません。

  • VCC付近まで出力は上がりません。

  • 入力コモンモード範囲は VCC−約1.5V までです。

  • 高精度測定用途ではオフセット誤差を考慮してください。


■ 免責文例(販売用)

本製品は実験・評価用途向けモジュールです。
医療機器・人命に関わる用途・高信頼性を要する用途には使用しないでください。

🔎 なぜ「分圧点を壊さない」のか?

  ■ 分圧点とは? 例えば50Vを10Vに落とすとき、 抵抗を2本使って電圧を分けます。 50 V ── [R] ──●── [R] ── GND ↑ ここが分圧点 この●の点は、とてもデリケートです。 ■ なぜ壊れるの...